どんなゲームか
Warhammer 40,000: Gladius - Relics of Warは、Proxy Studios開発・Slitherine販売で2018年7月12日に配信されたターン制4Xです。Astra Militarum、Space Marines、Orks、Necronsの4勢力が、掘ってはいけない場所を掘って何かを起こしてしまった帝国の植民惑星グラディウス・プライムの支配権を争います。
Steamでの評価は「非常に好評」、レビューの81%が好評。この評価は本作の実態をよく表しています。ひとつのことを際立ってうまくやり、残りをやるふりをしないゲームです。
本作を決定づけた一点
Gladiusに外交はありません。ひとつもです。交易協定も、同盟も、不可侵条約も、一時的な停戦すらありません。全勢力が恒久的に交戦状態にあり、マップをうろつく中立生物も敵対的です。
外交画面がゲームの3分の1を占めるのが普通のジャンルで、これは驚くほど大きな削除です——そしてそれが本作の最良の部分です。
代わりに得たのは速度です。経済が複利で膨らむのを眺めながら「次のターン」を押し続ける長い平和期がありません。最初の15ターン以内には何かと戦っており、判断は即座に結果を伴い、1試合が週末をまたがず一晩で決着します。ターン180で人生の都合により投げ出した経験のある人にとって、これは小さな話ではありません。
この削除は題材としても誠実だ。『Warhammer 40,000』は交渉が選択肢に無いという前提で成り立つ世界であり、外交画面を付けるほうが無難で、そして不誠実な設計だった。
実際に遊びが変わる非対称性
多くの4Xは非対称な種族を謳い、共通の土台の上のボーナス違いを出してきます。Gladiusはもっと効く場所に差を置いています。都市をどこに建てられるか、そして人口を何が支えるかです。
- Astra Militarum はどこにでも建設でき、食料で成長し、安価で大量、大半が遠隔の部隊を並べる。ただし士気の圧力で崩れる。
- Orks も自由に建設でき士気に強いが、崩れたときには大きな被害を受ける。
- Necrons は墓所にしか都市を建てられず、帝国の形をマップが決める。人口維持に鉱石を消費し、部隊生産にエネルギーを使う。
- Space Marines は要塞修道院ひとつから運用し、食料ではなく徴発物資で垂直に成長する。
これらはボーナスではなく別のゲームです。Astra Militarumで覚えたビルドオーダーはSpace Marinesでほぼ役に立ちません。これは本物の達成で、配信から年数が経っても本作が通用している主な理由です。
| Gladius | Civilization系4X | |
|---|---|---|
| 外交 | 一切無し | 交易と同盟を含む中心システム |
| 1試合の長さ | 一晩 | 複数セッション |
| 種族の違い | 建設可能地と人口資源が変わる | 共通経済上のボーナス中心 |
| 出遅れからの立て直し | 戦うしかない | 交渉・同盟・時間稼ぎ |
弱いところ
最大の問題はDLCの売り方です。 操作可能な種族が6つ個別に販売されており(Tyranids、Chaos Space Marines、T'au、Craftworld Aeldari、Drukhari、Sisters of Battle)、さらに別のコンテンツパックもあります。基本ゲームは完結しており4種族それぞれにクエストがあるので、中身を抜いた販売ではありません。ただ、ネット上で語られている本作はしばしば全種族版で、それを揃えると基本価格の数倍になります。新規で入ると、自分が何を買っているのか把握しづらい構造です。
導線が弱いです。 勝敗を決める規則のいくつかが事実上説明されません。装甲は10で被ダメージ83%減まで伸びます。資源の赤字は対象の生産を毎ターン10%、下限50%まで削ります。経験値はキルではなく近くで敵が死ぬことから入り、上限はLv10です。どれも遊び方を変える情報ですが、ひとつも教えてもらえません。新規プレイヤーが負けるのは競り負けたからではなく、生産が半分の状態に気づいていないからであることが多いのです。
外交が無いことは両刃です。 削除によって設計は良くなりましたが、同時に出遅れから立て直す手段がすべて消えました。Civilizationなら悪い出だしも友好関係で凌げます。ここでは悪い出だしはただ悪い位置取りで、そこから決着まで戦うだけです。容赦のないAI相手だと、それは厳しい40分になり得ます。
日本語・韓国語のローカライズがありません。 ストアの記載は英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・ロシア語・簡体字中国語です。クエストとツールチップのテキスト量は多く、ただでさえ説明されない仕組みを第二言語で読むことになると難度はさらに上がります。
セールで買うなら、そのバンドルにどの種族が含まれるかを必ず確認すること。ウィッシュリスト上の「Gladius」と、みんなが話している軍まで入った「Gladius」は、意味の違う買い物である。
誰に向くか
4Xの骨格——探索・拡張・開発・殲滅——を、平和で長い中盤抜きで味わいたいなら買いです。種族が本当に別物として動くことが、深い外交レイヤーより大事なら買いです。『Warhammer 40,000』が好きで、その世界の前提を真面目に受け取ったストラテジーが欲しいなら買いです。
交渉こそが4Xの楽しみだという人、ゲーム自身に仕組みを教えてほしい人、軍を個別に買う形式がストアページを見るたび気になる人は避けたほうがいいでしょう。
買うなら最初はAstra Militarumで、初心者ガイドを先に読んでください。序盤の苛立ちの大半は回避可能で、しかもあなたのせいではありません。
★総評
Gladiusは、ひとつ勇気ある削除をして、その穴の周りに筋の通ったものを組み上げた良いゲームです。外交を取り除いたことで速度と焦点と題材への誠実さを得ましたし、種族間の非対称性は宣伝文句ではなく実物です。
万人に薦められる域まで届かないのは、売り方と教え方のせいです。仕組みは強く、知ってしまえば読みやすい。ただゲームはそれを教えてくれず、完全な体験はDLCの棚に断片化しています。箱に入っているものと、それをどれだけうまく説明できているかで採点するなら、7.5点は正直な数字です。設計は優秀、その提示は凡庸。
当サイトが扱うもう1本のウォーハンマー40,000ストラテジーについては、メカニカスのレビューをどうぞ。こちらはシステムを削るのではなく時計を乗せることで焦点を作ったターン制タクティクスです。